助産師の定義
保健師助産師看護師法では、助産師の定義を「厚生労働大臣の免許を受けて、助産または妊婦、褥婦もしくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう」と定めています。戦前や戦時中は「産婆」と呼ばれていましたが、1989年の保健婦助産婦看護婦法制定により「助産婦」と名称が変わり、その後2002年の改定により現在の名称になりました。
主な仕事内容
助産師の仕事内容はケアの対象となる女性の状態によって異なります。出産前(妊娠期)には、妊婦や胎児の健康状態を確認し、健康管理を行うのが主な仕事です。妊娠健診、胎児の健康状態の把握、妊婦の食事や運動の指導、精神的ケア、出産準備のサポートなどを行います。万全の状態で出産に臨めるよう、健康状態を維持するための手助けをします。また、親になる父母向けに教室を開いて、育児のアドバイスや心構えを指南します。
出産時(分娩期)は母子の健康状態を確認しながら分娩をサポートします。正常分娩のサポート、分娩時の声かけやマッサージ、異常分娩の見極め、医師の補助、精神的ケアなどが主な仕事です。なお、助産師が単独で介助できるのは正常分娩のみで、早産や逆子で帝王切開を行う際には医師の指示に従い補助に回ります。
出産後の妊婦と新生児のケアも助産師の重要な仕事の1つです。母子の健康状態の確認、母乳指導、子育てのアドバイス、精神的ケアを行います。新生児へのおむつ交換、沐浴、授乳などの方法を指導します。また、乳房マッサージを行い母乳育児に関するトラブルの予防も行います。出産直後はメンタル的に不安定なケースも多いので、精神的ケアが欠かせません。
助産院について
助産師は一般の看護師とは異なり、助産院を独立開業することができます。助産院には分娩を扱うケースと扱わないケースの2つがあり、それぞれ仕事内容は異なります。分娩を扱う場合は、正常分娩の介助や妊婦健診、母子のケア、保健指導を行い、正常分娩が難しいと判断された際には医療機関への引き継ぎを行います。一方、分娩を扱わない場合は、指導を中心に行います。子育てサロンなどのイベントを開催し、ショートステイの受け入れを行っているケースも多いようです。
助産院は病院や診療所と比較して妊婦と直接接する機会が多いため、相手に深く寄り添って出産前後のケアができるといった魅力があります。勤務地は助産院以外にもあり、それぞれ特徴が異なるので、興味のある人は事前に確認しておきましょう。以下に詳しく解説しているサイトを紹介するので参考にしてください。